コラム

春服を買いに行く前に|「痩せたら着よう」をやめた日のこと

ゆめかわプラス編集部
春服を買いに行く前に|「痩せたら着よう」をやめた日のこと

※ サイズ情報・着用レビューは個人の感想です。購入前に必ず公式サイトをご確認ください。

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春服を買いに行く前に|「痩せたら着よう」をやめた日のこと

春服を買いに行く前に|「痩せたら着よう」をやめた日のこと

桜色のワンピースのこと

3月の終わり、ショッピングモールをふらふら歩いていたとき。ショーウィンドウの奥に、桜色のワンピースが飾ってあった。

ウエストにリボンが付いていて、裾に向かってふわっと広がるシルエット。春の風が吹いたら、きっときれいに揺れるんだろうなと思った。思わず足が止まって、そのまましばらく眺めてた。

お店に入って、ラックに並んでいるワンピースを手に取った。タグを見た。Mサイズ。

――知ってた。なんとなく、そうだろうなって。

そっとハンガーに戻して、お店を出た。

わたしの中にあった「いつか」のリスト

あの桜色のワンピースは、わたしの「いつかリスト」に追加された。

痩せたら着よう。もう少し絞れたら買おう。来年の春には着られるかもしれない。

そんなふうに「いつか」を積み上げるのが、いつの間にかクセになっていた。

ショップで見かけたフリルのブラウス。SNSで見つけたゴシックなコルセットスカート。友達が着ていた量産型のセットアップ。

かわいいと思うたびに、心のどこかで「でも、今は無理かな」と思っていた。好きという気持ちにフタをするのが上手になっていった、というほうが正しいかもしれない。

洋服を見るのが好きなのに、試着室に入るのがこわい。ショップの店員さんに「サイズありますか」と聞くのがこわい。ECサイトでカートに入れて、決済ボタンの前で手が止まる。

そういう時間がけっこう長く続いていた。

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「今の自分で着ていいんだ」と思った日

きっかけは、ほんとうに些細なことだった。

ある日、いつものようにSNSを眺めていたら、自分と似た背格好の女の子が、地雷系のコーデ写真を投稿しているのを見つけた。黒のワンピースにレースの重ね着、赤いリボンのヘッドドレス。すごくかわいかった。

その子のプロフィールをのぞいたら、「サイズが合う服を探すのが趣味になってきた」と書いてあって、なんだか少し笑ってしまった。ああ、同じようなことを考えている子がいるんだな、と。

そこからリンクをたどって、大きめサイズ展開のある地雷系ブランドがあることを知った。XLやLLはもちろん、2L、3Lまで展開しているブランドがあるということ。しかも、デザインが「大きいサイズだから」と妥協されたものじゃなくて、ちゃんとかわいいということ。

知らなかっただけだった。

調べたら、あるんだ。ちゃんと、ある。

サイズが合う服を見つけたとき

はじめて「自分のサイズで、自分が好きなデザインの服」を見つけたとき、胸のあたりがじわっと熱くなった。

大げさかもしれないけど、ほんとうにそうだった。

画面の向こうにある、フリルがたっぷりついた黒いワンピース。サイズ表を見て、自分の実寸と照らし合わせて、「これ、着られる」と思った瞬間の気持ちを、なんと表現したらいいだろう。

うれしいとか、安心するとか、そういう一言では足りなくて。

ずっと鍵をかけていた引き出しが、かちゃっと開いた感じ。入っていいんだ、この世界に。そんな感覚だった。

届いた服に袖を通したとき、鏡に映った自分がちゃんと「わたしが着たかった服を着ているわたし」で、それがどれだけうれしかったか。

着てみて気づいたことがある。わたしが欲しかったのは、「痩せた自分」じゃなかった。「好きな服を着ている自分」だった。

「いつか」を「今日」にする

あの桜色のワンピースは、もう手に入らない。あのお店にはもう並んでいないと思う。季節は巡って、服も入れ替わる。「いつか」は思ったよりも早く、「もう遅い」に変わる。

だから最近は、「いつか」って思いそうになったら、いったん立ち止まるようにしている。

本当に「いつか」じゃなきゃだめ? 今の自分のサイズで着られる、似たデザインの服はないかな? そう考えるようにしたら、意外と選択肢は見つかった。

もちろん、全部が全部うまくいくわけじゃない。サイズ表を見て「惜しい」と思うこともあるし、デザインはいいのにサイズ展開が狭くてあきらめることもある。

でも、「自分が好きな服を探す」ということ自体を、あきらめなくなった。それだけで、ずいぶん変わった気がする。

さいごに

このコラムで「こうしなければならない」とか「こう考えましょう」とか、そういうことをお伝えしたいわけではありません。

ただ、わたしと同じように「痩せたら着よう」のリストを持っている人がいたら、ひとつだけ伝えたいことがある。

好きな服を着ていい理由に、サイズは関係ないと思うんです。

サイズはただの数字で、数字のほうが自分に合ってくればいい。ブランドを探す、サイズ表を見る、実寸を測る。そうやって「着られる一着」にたどり着いたとき、「いつか」はちゃんと「今日」になる。

春服を買いに行く前に、クローゼットの中の「いつかリスト」を、少しだけ見直してみてもいいかもしれません。


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参考・出典


あわせて読みたい: 今の自分で着られるアイテムを探すなら、わたしサイズで探すがおすすめです。サイズ展開の広いブランドが見つかります。

タグ

#コラム#ボディポジティブ#

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